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シュノーケリングでもブラックアウトは起こりますか?

こんにちは!沖縄の体験ダイビングショップ「ラピスマリンスポーツ」です。

海で起こる「ブラックアウト」という言葉は聞いたことがありますか?

酸素ボンベなどの器具を使用せず海に潜る「スキンダイビング」で発症する可能性がある症状で、潜るときに無理な呼吸を続けていると起こることがあります。

では、このブラックアウトはシュノーケリングでも起こることはあるのでしょうか。
シュノーケリング、特に体験シュノーケリングにおいてブラックアウトが起こることはめったにありません。

今回ご紹介する「ブラックアウトとシュノーケルの関係」についてしっかり理解し、安心してシュノーケリングを楽しんでくださいね!

海 ブラックアウト

 

この記事を書いた人

ラピスマリンスポーツ オーナー兼ガイドスタッフ伊藤 朋宏

沖縄でのガイド歴は30年。初心者から上級者まで、延べ数万人のサポートをしてきました。

長年多くのお客様と接する中で、初心者の方に寄り添いたい気持ちが一層強くなりました。

海遊びが初めて、泳げない、海が怖いなど、そういう方たちにも沖縄の素晴らしい海の中を覗いてもらいたいという思いで初心者向けのマリンショップ「ラピスマリンスポーツ」を運営しております。

海でのブラックアウトとは?起こる原因や呼吸方法との関係

「ブラックアウト」とは、海で呼吸を我慢し過ぎることで酸欠状態になり、脳の酸素濃度が低くなることによって起きます。

スキンダイビングでは空気を思いっきり吸って息を止めて海に潜りますが、一般的には「ハイパーベンチレーション」という呼吸方法を使用します。

このハイパーベンチレーションのやり過ぎは意識障害や意識喪失を起こす可能性もあるため、注意が必要です。

ハイパーベンチレーションとは?

人は、息を止めている間に必要な酸素をたくさん吸収するために、深呼吸を繰り返します。
この時、ゆっくり深呼吸するのではなく意図的に早く空気の入れ替えをすることを「ハイパーベンチレーション(過換気)」と呼ぶのです。
このハイパーベンチレーションを繰り返すと、体内にある二酸化炭素が外に吐き出され、酸素がたくさん取り込まれた状態になります。

人間が苦しくて呼吸をしたいと思うのは、体内に酸素が足りないときではなく、二酸化炭素濃度が高くなったときです。
ハイパーベンチレーションにより二酸化炭素を体の外に吐き出しておくと、通常よりも体内の二酸化炭素濃度はゆっくり高くなるため、長く潜ることができます。

ブラックアウトの原因とハイパーベンチレーションの関係性

長く潜っていると当然酸素をたくさん使います。
しかも水圧の関係で、海に深く潜れば潜るほど肺は小さくなり、肺の中に少しの酸素しかなくても酸素濃度は高い状態を保つことができます。

しかし、水面に上がってくるときには、体は水圧の影響を受けにくくなり肺の大きさが元に戻りはじめます。肺は大きくなるのに、体内の酸素は運動してどんどん減っていくと、肺の中の酸素濃度も急激に下がってきます。

こうして酸素濃度が極端に下がって(酸欠状態)意識を失ってしまうのが「ブラックアウト」です。
深い海に潜っている途中ではなく、浮上するときにブラックアウトは発生します。

ハイパーベンチレーションは息を止めた時点での二酸化炭素の量を減らすことで、苦しいと思い始めるまでの時間を長くするものなので、苦しいと思うまでの時間を延ばしている状態です。
つまり、苦しいと思った時には既に思った時以上に酸素が不足しています。

そのため苦しいと感じ始めてから浮上すると、上に行くほど水圧と酸素分圧が減少するので、水面近くになったところで血液中の酸素分圧は意識消失レベル以下に!
強い痛みもないまま、水面に出る前に海中で意識を失ってしまうことがあるのです。

初めての場合は自分で意識を失う前兆を感じにくいのが特徴であり、最悪、溺死してしまう可能性もあります。

 

シュノーケリングではブラックアウトは起こらない?!

シュノーケリングをしていてブラックアウトは起こるのでしょうか。
いいえ、ほとんど起こらないと言っていいでしょう。

なぜなら、体験シュノーケリングではライフジャケットを着けています。
ライフジャケットを着けていると水面に浮かぶだけで潜ることはできません。

体験シュノーケリングでは海の中に潜ったとしても、水深6mくらいのところを潜ります。
息止めの時間も長くなり水圧の影響を受けやすく、ブラックアウトの心配が強くなり始めるのは「10m以上潜ったとき」と言われています。

基本的に体験シュノーケリングでは、そこまで体に負担をかけることはありません。
また、深い海底から浮上するときに発生しやすいブラックアウトですので、シュノーケル中で負荷のかかる急浮上を行うこともまずありません。

もしシュノーケリングをしていてブラックアウトが起こるとすれば、潜ったあとに「シュノーケルクリア(シュノーケルの中に溜まった水を吐き出すこと)」ができず、パニックになって酸欠状態を起こす場合が考えられます。

この場合はシュノーケリングを口にくわえた状態で強く息を吹いて中の水を吐き出してやるか、一度シュノーケルを口から外して呼吸すれば問題ありません。

ラピスは「安全対策優良店」にも認定されたシュノーケリングショップ
なので、1グループ貸切制でインストラクターが常時見守っています。
インストラクター1人が引率するお客さまは2名様までで、お客さまの人数が増えるごとにインストラクターの数も増えるため、不安なことも質問しやすく重要なコミュニケーションもしっかりとれます!

レクチャーや練習なども周りを気にせず自分たちのペースで行えるので、指示に従いシュノーケルを楽しめば、過剰にブラックアウトの心配をする必要はないでしょう。

ラピスの少人数制&完全貸切制シュノーケリングで安心して楽しもう♪
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↓ラピスで初めてシュノーケリングをされたお客様の体験も参考に★

綺麗なビーチでテンションアップ!家族で初シュノーケリング体験

 

もしもブラックアウトになってしまったら?

砂時計

ブラックアウトは
・過度なハイパーベンチレーション
・水圧の影響を受け始める水深10m以上潜る
ことを避ければ、起こりにくいことは前述の通りです。

また、体験シュノーケリングでは1人で申し込んでもインストラクターとバディ(ペア)を組んで2人1組で行動します。

水中でバディの様子がおかしくないか都度注意して、発見が遅れることを防ぎます。

ブラックアウトには軽~中度と重度のブラックアウトがあり、軽~中度であれば、適切な初期処置を行えば問題ありません。

「軽~中度のブラックアウト」は、一定の呼吸や心拍が確認できるにも関わらず、意識が混濁もしくは消失している状態を指します。
この場合は体を揺すって無理に意識を戻そうとせず、正しく気道を確保して自然回復するのを待ちます。

心拍や呼吸にも影響を及ぼしている重度のブラックアウトでは、早急に心肺蘇生法を行い、しかるべき医療機関を受診することになります。
ただ何度もお話している通り、体験シュノーケリングで蘇生が必要なほどのブラックアウトを起こす可能性は高くありません。

いずれの場合も、めまいやしびれなどが見られる場合は、病院で適切な処置を受けてくださいね!

ブラックアウトを正しく知り、安心してシュノーケリングを楽しもう!

水中で意識がなくなるなんて怖い!

と思った人もいるかもしれませんが、無茶なことをしない限りはブラックアウトになることはありません。

インストラクターの注意をしっかり守れば問題ありませんので、無茶をせずに沖縄の海でシュノーケリングを楽しんでくださいね!

ラピスマリンスポーツのシュノーケリングコースはバリエーションも豊富です。
大人気の青の洞窟コースや、巨大スケールのジンベエザメを水面からウォッチングできるコース、トロピカルフィッシュへのエサやりなど、初心者でも満喫できる内容がたくさん!

シュノーケリングで慣れたら、さらに海を深く楽しめるダイビングもチャレンジしてみましょう♪

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